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旧暦の七夕 久見地区の星まつり

旧暦の七夕の夜

 

久見地区の星まつりを見に行きました

 

 

 

…星まつり…

 

五箇に伝わる七夕祭りで

昔から子ども達が中心となって行ってきた季節行事です

 

「星まつり」といえば久見が有名ですが

代や北方、苗代田など

旧五箇村の他の地区でも行われているのだそう

 

 

 

 

 

私達が集会所に到着した時には

山の端にほんのりとおひさまの名残を感じる頃でした

 

 

 

 

 

準備万端

灯りがつけられた

たくさんの星型のあんどんや提灯と 

甚平さんや浴衣を着たかわいい子ども達

 

 

 

 

子ども達の背丈をはるかに超える大きな星は『一番星』

ちょうどこの時空にも「一番星」

今年は火星の大接近の年

西郷星が輝いたこともあってでしょうか

 

一番星の真ん中には西郷どんが描かれていましたよ

 

 

少しずつサイズダウンして

『二番星』『三番星』が続きます

これは地区の中学生や小学校の高学年が持つことができる星なのだそう

小さい頃は

大きくなってこれを持つことが楽しみだったなと

参加していた若者が話していました

お兄ちゃんになることの象徴だったんですね

 

そして

もっと小さな子どもと大人たちは

ちょっと小さな星に思い思いの絵を描いて…

(^'^)

 

 

  

 

大きな一番星を先頭にして

二番星、三番星、小さな星たちが

光の道になって続きます

 

 

 

 

 

 

若者が叩く軽快な太鼓の音にあわせ

みんなで島根県民歌を歌いながら

集落を練り歩くのです

 

歌詞カードを配られるとはいえ

久見の集落のみなさんは

みんな県民歌を歌えるんですね~!

ちょっと驚き

 

 

 

 

田んぼのあるエリアにくると

行列はストップ

 

勢いよく花火が打ち上げられると

笹竹を持った若者が田の畔におりていき

これから実っていくだろう稲の上を

七夕飾りを施された笹竹でなでるように左右に振りながら

虫追いの歌を歌います

 

♪と~れ、と~れ!稲の虫と~れ!!

 

 

もちろん

星のあかりをささげた子ども達も大人も

虫追いの歌の大合唱

 

「とおれ」は隠岐弁

 「あっちへ行け」とか「逃げていけ」とかそういうニュアンスの表現です

「通る」ということなんでしょうかね

犬がいなくなったなんて時にも使いますよ

「犬が逃げてとーたわ」

 

 

行列が止まるたびに

田を挟んだ反対の通りや

空き地から

にぎやかに打ち上げられる花火

 

音と光で虫を追い払い

この年の秋の豊作を祈るのでしょう

 

 

 

そうしながらぐるりと集落を1周し

この星まつりはおしまいとなりました

 

 

おとぎ話の世界を垣間見たかのような

 そんな気持ち

 

なんとも幻想的な五箇のおまつりでした

 

 

 

 

 

 

・・・・・・・・・・・ 

 

 

 

初めて久見の星まつりを見ました


 満天の星空

天の川のその下を歩くたくさんの地上の星たち

夜道に浮かび上がる星型の提灯がつくる光の道の美しさはもちろん

興味深い儀式ひとつひとつ

虫おいの歌

鼓を叩く若者の姿の力強さ

この行事の歴史を語る地区の方の誇らしげな姿

何もかもが印象的で

心の奥がじんとするようなそんな気持ちになりました


 すごいことですね

この祭りがずっとこうして受け継がれてきたということ…

 

 

隠岐にはまだまだいいものがいっぱい残ってるんだなーと

改めて思った七夕の夜でした